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各章のおさらいとここまでのあらすじ(ネタバレのみ)

ここまでのあらすじ

一章

 思ったことと行動が逆転してしまうサカサマサカサという能力(ネームレス)を持った女子高校生黒須美穂(くろすみほ)はその特殊な能力から幸せとは程遠い生活を送っていた。
 また、黒須と同じく高校生である白金祐斗(しろがねゆうと)は退屈な毎日に嫌気が差していた。
 そんなある日、祐斗の住む町に黒須が引っ越してくる。二人の出会いは偶然、しかしどこか運命めいたもので祐斗は望まずしてサカサマサカサにあてられ、黒須の一人になりたいという思いの裏側、つまりは付きまとうという行動をとる。
 そんな出会いをした二人だが、去り際に祐斗が無理やりアドレスを聞き出すことによってその場は事なきを得た。
 これで二人の物語は終わり。かと思われたが、ある日祐斗が転校生の知らせに心ときめかせて顔を上げると、そこには長い漆黒の髪をもったアドレスの少女、つまりは黒須が立っていたのであった。
 二人は最初こそは他人に接触したがらない黒須の性格によりクラスメイトとの間に溝ができていたが、ここでも黒須の一人でいたいという思いをあざ笑うようにサカサマサカサが発動し、一人のクラスメイトを救ったことから黒須は一気にクラスの人気者になってしまう。挙句の果てにはファンクラブなるものも出来てしまい、その名誉会員一号として祐斗の古くからの親友であるちょっと空気の読めない男、藤村亮(ふじむらりょう)とボーイッシュな女の子、後藤恋(ごとうれん)を知る。そのころ町では黒須と同じく異能の殺人鬼が闊歩しているといううわさが流れていた。

二章

 そんなサカサによって知り合ってしまった四人は紆余曲折して赤点回避のための勉強会を開くことになる。初めは嫌がる黒須だったが、久しぶりの友達という感覚に四苦八苦しながら不器用なれどほかの三人に溶け込めるように努力した。
 そして事件は起きた。勉強会の帰り、黒須と祐斗は二人で夜道を歩いていた。しかし運命は唐突に、かつドラマチックにやってくるもので町をうろついていたうわさの殺人鬼にばったりと遭遇してしまう。戦う力のない二人はただ逃げることしかかなわなかったが、その遭遇により黒須は気絶、そして祐斗もそんな黒須をかばうために胸に大きな傷を負い、病院に入院することになる。
 黒須は祐斗に感謝しながらも、胸に負わせてしまった傷に後ろめたさを感じるようになる。と、同時に黒須は祐斗達に赤点を取らないようにと普段の自分ではありえないことを祈るようになる。
 普段ならサカサの発動によりめでたく全員赤点を取るはずだったのだが、なぜかそのときは発動せず、四人とも赤点を回避する。突然の出来事にとまどう黒須だったが、テスト勉強中に約束をしていたテスト後に遊園地に遊びに行くという強引な誘いを断りきれずに祐斗達三人とその姉二人と遊園地に出かける。

三章

 その遊園地で、普段の恋ではありえないような普段着でめかしこんでいるのに一同は動揺を隠しきれなかったが、その祐斗を積極的に誘い行動することでその思いを黒須は悟ることになる。しかも、ひょんな事故から祐斗に抱きつく形になってしまったというのにそれを好意と勘違いされライバル宣言すらもされてしまう。
 はっきりと祐斗の事なんてどうも思っていないと言えなかった自分に戸惑いを隠しきれないまま、遊園地は幕を閉じた。
 クラスでは、祐斗に付きまとう西条赤(さいじょうせき)という真っ赤な長髪の美人の登場により、祐斗達の周りに確実に変化が訪れていた。
 祐斗はなんとなくといいつつ昔の初恋相手であるあーちゃんの好物のりんごの料理をよく持ってくるようになり、しかしもって言った相手、つまり黒須と恋と赤は三人ともりんごが大好きであるという奇怪な状況を生み出してしまい自分の記憶に自信が持てなくなる。
 そんななかで学校生活最大のイベント、修学旅行が始まるのであった。

四章

 修学旅行、もとい勉学強化合宿では特にこれといった出来事すらなかったが、黒須は少しずつ周りに心を開くようになり、すこしずつだが自分の気持ちに気がつき始める。

五章
 
 修学旅行後、黒須は一緒に遊園地に行った恋と藤村の姉達に呼び出され、気づけばこの物語の女性全員が集う場所にいた。
 そこで黒須はそこにいる全員が祐斗に惹かれていることを知らされる。恋だけではなく、新しく赤、そして姉二人のライバルが出現しながらも、黒須はどこか不安な気分になっていた。なにせ、過去に自分が好きになってしまった人間はもっと一緒にいたい、愛おしいなどという黒須の純真無垢な思いに反応したサカサがその思い人をひどい事故に合わせてしまったのだ。
 そんなトラウマを抱える黒須は、芽生え始めた祐斗への思いと過去のトラウマの板ばさみに悩み、女性陣で計画した海へは行かず一人ぼんやりと気持ちの整理に勤めていた。
 そんな黒須を置いて海へと遊びに来た祐斗達は楽しく遊びまわるのだが、ここで門外が発生してしまう。なんと、先走った姉二人の告白を受けてしまうのであった。
 戸惑いながらも答えを何とか保留にして自宅へと帰った祐斗は振って沸いてしまった災難
、姉二人の事故を黒須に伝える。自分のせいで二人が事故にあったと思い込んだクロスはそのまま行方をくらましてしまう。
 黒須のただならぬ雰囲気を察した祐斗は早速捜索を開始する。祐斗は、昔の初恋の相手に黒須を重ねていたところがあったからだろう、なんとなく初恋の相手、つまりはあーちゃんとよく遊んだ公園に足を向けると、そこには雨に打たれて寒さに震える黒須がいたのだった。
 なんとか黒須を病院まで連れて行くとそこで黒須は祐斗への告白を知る。そして自分の能力を二人に伝えるのだった。

六章
 
 二人の事故から少し後、祐斗は前々から黒須の悩みの種であった黒須の弟を学校に連れてくることを思いつく。祐斗の妹である白金花梨(しろがねかりん)と力を合わせ、なんとか弟、黒須大河(くろすたいが)を学校に連れ出すことに成功した。そのきっかけというのはまたしても学校側のイベント、体育祭だった。
 
七章
 
 体育祭も終わり一息つけるかと思いきや、次は文化祭が待ち受けていた。
 お化け屋敷をすることになった祐斗達は着々と作業を進めながらも巷で噂されている第二の殺人鬼を知る。
 時を同じくして黒須も殺人鬼の奇妙なメッセージに感ずるところがあり、作業に集中できないでいた。
 不安を抱えながらも迎えた文化祭当日、やはりというかやっぱりというか殺人鬼は黒須に惹かれるようにして校内へと侵入、殺戮を開始する。この殺人鬼もまた異能者で、奇しくも黒須のサカサによって事なきを得る。しかし、その事により祐斗は黒須の過去に触れることとなる。
 
八章
 
 気まずい空気を内包したまま祐斗は黒須たちの料理対決の審判にをすることになる。もちろん、三人とも特別料理がうまいというわけでもなく、祐斗は恐怖におびえながらも審査することとなる。
 
九章
 
 クリスマス、それは恋人達が愛を語らう日、けっして三人の女性が一人の男を取り合う日ではなかった。しかし、それでも三人は祐斗をめぐって熱い火花を散らす。
 三人は別々にプレゼントを用意しながらも、鈍感な祐斗の料理のお礼などという口実のクリスマスパーティに誘われ一堂に会すことになってしまう。ギクシャクしながらも三人は何とかしてプレゼントを渡そうと奮闘する。
 
十章
 
 そして流れるようにしてやってきた年明け、祐斗は年始から頭を抱えていた。なにせ、いままで告白の答えを保留にしていたことを年末、それもカウントダウンのときに気づいてしまったのだ。答えをどうするか悩んだ祐斗は、答えも決まらないまま初詣へと出かける。そこで運命のいたずらか、祐斗は前の年からの重い思いの二人と遭遇する。
 四苦八苦しながら告白にけりをつけた祐斗はまた学園生活へと戻る。しかし、そこに安息はなく、進路という壁が立ちはだかったのだ。
 壁にぶつかりながらもなんとなく冗談で。そんな事で祐斗は地雷原を歩いていた。そう、言ってはいけない正月太りの話しをよりによって恋にしてしまったのだ。竜の逆鱗を逆なでしてしまった祐斗は、そこで唐突に初恋の相手、あーちゃんは自分の妄想だということに気づかされてしまう。

十一章
 
 過去の自分の記憶に自信が持てなくなってしまった祐斗は幽霊のように生気をなくしてしまうが、周りと恋の意見の齟齬により少しずつあーちゃんは自分の想像の産物ではないのかと思い始めると同時に、自分を絶望させた恋に憎悪を抱くようになる。
 時を同じくして祐斗と恋の不仲を察した黒須は二人の仲を取り持とうと奔走する。
 奔走の結果、赤の力も借りて黒須は祐斗と恋を二人きりにすることに成功するのであった。気まずい空気の中、祐斗や恋はどう動くのか、そしてあーちゃんの正体とは?
 
 大興奮のクライマックスがま待ち受けるサカサマサカサ第十一章。
――君はまだ、本当のサカサをしらない。
 
 

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